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先週の土曜日、キース・エマーソン氏の訃報が入りました。
ご存じない方も多いと思うので簡単に言うならば、私の好きな世界的キーボード奏者で、70年代音楽の大御所バンド、Emerson Lake&Palmerの中心メンバーです。

彼のソロ公演に2回行ったことがある、というのが私の自慢でもありました。

ニュースによると拳銃自殺だったそうで、来月には来日公演の予定があったこともあり、ファンの間では騒然となりました。
さらに続報によると、キース氏は腕に神経症状があり、10本のうちの2本の指は動かない状態で、それが原因で鬱状態にあったんだとか。

音楽の世界で成功を収め、もう余生を遊んで暮らせるだけの財産があるだろうに、それが理由で自殺するなんて、それだけ彼にとってキーボードは、音楽は人生そのものだったのか、と偉大な最期に複雑な心境になりました。

これで終われば私の中では不謹慎ながら美談として終わってたんだけども、メンバーであるグレッグ・レイク氏や自叙伝をもとに入って来た情報によれば…

・若いころから麻薬をやっていた
・その当時から躁鬱状態で、麻薬との悪循環で悪化した
・離婚した際、奥さんにほとんどの財産を持っていかれた
・その後、アメリカに移住する際には叔父に借金をした
・アメリカに移住したのに大腸憩室の手術をわざわざイギリスで行った。これは当時のアメリカでの医療費がバカ高かったからで、経済的には苦労していたと思われる。

などなど、私の想像とは全く違う波乱に満ちた人生だったことを知りました。
考えてみれば70歳近くなっても活動を続けなくてはならないというのは、単純にお金が必要だったからってのが大きかったのかもしれません。

彼にとって音楽の存在が大きかったのは変わらないけども、そういうのっぴきならない事情もまたあったのかなと思うと、人並み外れた才能に恵まれ大きな成功を得たけども、マイナス面にも振れ幅の大きな人生で、彼自身は一人の人間だったんだなぁ なんて思わされました。

そんな苦しみから解放され、安らかに眠ってください。
追悼。




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