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2年前の秋、近所の川で釣りをしていると、後ろから「釣れるん?」と声を掛けられた。
振り返るとそこにいたのが当時小学3年生の釣り少年、りょうだった。

片手に釣竿、もう片方の手にはワームを一個だけ握りしめていた。
「針は持ってないん?」
「お母さんに他の人にもらえって言われた。」
ワイルドなお母さんやなぁ~と思いつつも
「なら俺があげるよ。」
と、針をあげてワームもセットしてあげた。

それをきっかけに俺とりょうは顔見知りになり、その川でよく会うようになった。
私が川で釣りをするのはほとんど秋だけだけども、翌年の秋もりょうは私のことを覚えてくれていた。

いらなくなった竿やルアーをりょうにあげたこともあった。
でも、竿は数年間放置していたこともあり、あげたその日のうちにバキッと折れてしまい、二人で爆笑したりもした。

一年という時間は小学生にとっては長いようで、久しぶりに会うたびにりょうは太ったりもとに戻ったり、髪が伸びたり坊主になったりしつつ、背が伸びていった。

そして今年の秋、再び私が川で釣りをするシーズンになった。
今年もりょうに会うことを期待していたが、二度三度と川に行ってもりょうに会わない。

私とりょうの共通の知人である鯉釣りのおっさんに聞いてみた。
「最近あの子来ないですねぇ。」
「あぁ、なんかあいつ転校したらしいで。舞鶴の方。」

すごくベタな表現だが、「ガ―――ン!!!」って感じだった。
それまでにりょうのお母さんはバツイチのヤンママで、物心ついたころから父親はいなかったけども家によく来るおっさんが実は父親だと最近知ったなんて話を前に会ったときに聞いてたし、その辺のゴタゴタで転校したんだろうことは想像できる。

それにしてもあまりに突然だったし、バイバイも言えずに20歳近く歳の離れたかわいい釣り仲間がいなくなったのはやっぱり寂しい。
こういうとき「探偵ナイトスクープに依頼しようかな」なんて考えてしまうのが関西人の悪い癖だが、冷静に考えたら探し出して会ったところで何がしたいというわけでもないかもしれない。
またダラダラとどうでもいい話をしながら釣りしてみたいとは思うけども、カメラが回ってる前でやるようなことではないし。

10年も経てばりょうも社会人になり、自分で車と釣り具を買って、もしかしたら懐かしいこの川にまたやってくる日がくるかもしれない。

りょうが転校した舞鶴は日本海の港町。
防波堤にいる釣り人にまた「釣れるん?」と話しかたりちょっかい出してる姿を想像してそんな日を待ちわびつつ、私は明日も川へ行く。


ちなみに、上の画像でりょうが持ってる魚は私が釣った魚です。
他人の釣った魚をよくここまでドヤ顔で持てるなぁ…。
なぜかリールがフライ用のやし。ほんまにおもろい奴です。

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私の竿をあげたときのりょう。このすぐ後に折れるとは知らずに喜んでくれております。
シャツがダボダボなのは10歳年上の兄貴のを着てるから。

関連日記
2012年秋
2014年春
りょうが転校したのは2014年夏のことらしい。
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コメント
この記事へのコメント
なんか切ないけど、、いつか再会できるかも知れん未来を想像したらほんわかあたたかい気持ちになるね!!
2014/11/15(土) 16:56 | URL | いわりえ #-[ 編集]
>いわりえ
10年後、
???「ふぅ…懐かしいな…この川に来るのもずいぶん久しぶりだぜ…。おいおっさん、釣れるかい?」
伊藤(40歳)「ん?誰がおっさんじゃい!!…お…お前は…りょう!!!?」
りょう(20歳)「フフ…相変わらずだな!!」

みたいなやりとり憧れるよねぇ~。
そんな妄想。
2014/11/25(火) 18:58 | URL | fds #-[ 編集]
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