Lv.1
ブランコに嫌な思い出がある。

あれは小学一年生のとき。
当時学校にあったブランコは、新しく設置されて間もなく、
みんなが6つあるブランコのイスを取り合ったり順番待ちをしたりしていた。

ある朝、早く学校に来た俺は幸運にもブランコに乗ることができ、機嫌よくブランコをこいでいた。
立ちこぎでブンブンと風を切りつつも、ブランコのすぐそばでハンベーをする4年生が
あまりに近くまで寄ってくるのでぶつかってしまわないか少しヒヤヒヤしていた。
しかし悪い予感は的中した。


ガコーン!!!!


いきなり自分のブランコが何かにぶつかり、ブランコがスイングしながらも左右にグラグラとゆれた。
揺れる視界の下の方から表れたのは頭を抱えてうずくまる4年生の山下という少年だった。

山下君は外野のポジションだったためボールをバック走しながらキャッチ
していたので、俺のブランコに後頭部をモロにぶつけてしまったのだ。

4年生のハンベーは中断され、全員が山下君のもとへ集合する。

「おい!!いけるか!!?」
「お前なんしょんなだ!!」
「あほちゃう!!!?」
「伊藤めっちゃあほやわ!!!」
「謝れだ!!!」
「お前謝れだ!!!」


一年生の俺が4年生にこんな風に詰め寄られるのは今で言えばヤクザに絡まれるのに等しい。
しかし俺は謝らなかった。というか謝れなかった。
なぜならあまりの恐怖にかなしばりのように指一本動けなかったし、一言でもしゃべれば
今なんとか喉の奥で堰き止めている涙と嗚咽が止まらなくなるのがわかっていたからである。

「オラァ謝れだ!!!」
「はよ謝れだ!!!!」


それに少し思っていた。
俺が「ごめん」と言ったところで山下君の傷がクレイジーダイヤモンドで治したように一瞬でふさがるわけでもなんでもないし、
「ごめん」ということに何の意味があるのだろう。
だいたいここにブランコがあるのにそんなにぶつかるくらいに近くで遊んでいるそっちに非はないのか?

永遠とも思われるほど長い時間の中、俺は無言のまま4年生の非難を浴び続け、そこへ保健室の三谷先生が通りかかり、
山下君は保健室に連れて行かれた。

やがて朝のチャイムが鳴り運動場のみんなが教室に戻ったが、その日一日中、その翌日もその翌日も、俺は生きた心地がしなかった。
4年生に見つかるたびにまたあのときのようなことになるのかと思うと、
ひたすら恐くてもの凄い早さで教室に入り、休み時間も教室から出なかった。
4年生が卒業するまで、つまり自分が4年生になるまでもう運動場で遊べないのかとも思っていたけども、4年生の担任の先生が
「一年生なんやからこらえてやれ」とか「あんなそばで遊んでたお前らも悪い」とか言ってくれたのか知らないが、
それ以降に4年生に絡まれることはあんまりなかった。(3回くらい)

聞くところによると山下君は頭を縫ったらしい。
それは本当に申し訳ないとは思っているが、こっちからすれば楽しくブランコをこいでたところに自分から突っ込んできて、
さんざんヤクザまがいに絡まれて、こっちはこっちでそれなりに被害者だったんだっつーの。

今でこそただの思い出話だけども、あのときの自分からすればもう学校に行きたくないというくらいの恐怖と絶望でした。
最後に、タイトルを無断で拝借したinyりえこに深くお詫び申し上げます。
赤いブランコといっても俺の場合は山下君の血で染まった赤です。
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コメント
この記事へのコメント
わーお!同じタイトルで書いてくれてる!
なんだろう・・・(どきどき:

っと想って詠んでたらバイオレンスな記事だった(笑。
でもそんな過去があったなんて。。
確かに小学1年生のときにそんな経験をしてたら恐怖だ。。
2007/10/23(火) 09:35 | URL | りえこ #-[ 編集]
まぁだからと言ってトラウマでブランコに乗れないというほどではないけどね。

二人乗りしたり靴飛ばしたりして遊んでたなぁ・・・。
飽きてきたらブランコをぐるぐるぐるぐるネジってぐるぐるぐるぐるぐるぅ~うわぁ~目がまわるぅ~みたいなのやったりとか。
2007/10/25(木) 13:49 | URL | fds #-[ 編集]
ぐるぐる回すのやった!!!!
しかもあれめっちゃ楽しかった(≧ω≦)b
何気にあれも危ないけどなぁ(笑)
2007/10/27(土) 10:53 | URL | りぇこ #-[ 編集]
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