Lv.1
先日、母校では変な罰則があることについての思い出話をした。
しかし、あのころの忘れ物は罰を与えるほどのことだったのだろうか。
罰を与えたからといってより深く反省し、生徒を更正させていたのだろうか。
大人になってもついうっかり忘れ物することなんて誰にでもあるし、中にはもっと酷い例もある。

例えばMJという男は中学生になっても毎日筆箱を持ってくるのを忘れ、ものを書くのは全て他人から筆記用具を借りることで済ませていた。こいつにとって筆記用具は必需品ではないのだ。本当は自分の筆箱を持っていて、それは常に持ち帰らずに机の中に入りっぱなしになっていたのだが、その中に入っているのはどれも使い物にならないものばかりだった。

シャーペンは読書感想文かなんかの参加賞でもらった安物だが、胴体部に亀裂が入って消しゴムのカバーも外れている。中に入っている芯もバラバラに折れているので書こうとするとスッと中へ戻って書けないあの状態。消しゴムはものさしで切り刻んであるものや表面がカピカピになって使うことで逆に紙が真っ黒になるようなものばかり。一時期はカンニング用に漢字が書かれているものもあった。

見かねた伊藤はある日またいつものように筆記用具を誰かに貸してもらおうとしていたMJに、つい先日ボランティアでもらったボールペンを貸してあげたことがあった。このとき貸したボールペンは今考えてみると変な仕組みになっており、一本のペンの片側はボールペンで、その逆側が蛍光ペンになっていたのだ。借りパクされてもいいように、一番どうでもいいものを渡した。

それにしても字も汚いこの男が誤字脱字だらけ、あるいはもう中学生なんだから普通なら漢字で書くべきところまでひらがなばっかでボールペンで書いているのを見るのは本当にイライラする。消しゴムで消すのではなく誤字脱字を強引にボールペンで訂正していくので見栄えは汚いことこの上なし。

そのボールペンは数日後、キャップについているクリップの部分がグニャリと曲げられていた。おいおい、まぁ借りパクされてもいいやつを貸してあげたんだが、貸してあげたんであっておまえのもんではないのに既に私物のように扱っている上壊してるってか。そしてさらに数日後にはそのキャップの部分を紛失し、蛍光ペンがむき出しの状態で使われていた。

最終的にこのボールペンは無残な姿で教室の床に転がっているのが発見されたが、そんなことは気にもせずまた他の誰かに借りてその場をしのいでいくのであった。自分のボールペン(ていうか本当は俺のなんだけど)がなくなっていることにも気付かず、そして借りたものをなくしてしまったことに悪気を感じるという感覚をこの男は持ち合わせていない。

そんな様子をぼんやりと見ながら
「この男は将来ボロ雑巾のようにこき使われるくらいでしか金を稼ぐ術はないのでは?」
という予感を止めることはできなかったが、それが見事に的中してしまうことを知るのはもう少し先の話である。

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