Lv.1
実家では時間があったので幽遊白書を1巻から通して読んでみた。何回読んでもいいですねこれ。
我が家ではコミックスを全巻そろえた最初の少年漫画だったかも。
やっぱ人気がピークに達してたころ小学生だったということもあって、この漫画との出会いはアニメでした。
まずアニメを見て、小学校高学年ごろに漫画でも改めて読んで、改めて感動し、高校でまた読んでみたり。
途中アニメの再放送も何回か見たり。
今回読んだのももう何回か通して読んでいるのでストーリーは覚えていたんだけども、やっぱおもろかった。
それにしてもこの漫画、最初の方はとても富樫が描いたとは今となっては信じられんねぇ。
ラブコメみたいな内容もさることながら、下書きや真っ白なコマをジャンプに載せているような奴がここまでトーンをいっぱい使っていたとは。
それと、コミックス特有の合間合間のページを私物化しすぎなところとかに笑った。
「だらだら日記」とと題して阪神が5連勝だの車をドカドカ蹴ってるヤンキーを目撃しただの、あと学生時代にやったゲームだとか、突然「お義母さんへ」とか言って不気味なことを描いたり(9巻)

しかし今考えてみたらこの学生時代にゲームを考えたりしていたことが作品を描く上ですごく活かされているように思えます。矛盾がなく、かつ応用が利くようなルール、設定を作ったり、逆にルールを逆手に取る意外な攻略法を思いついたり、幽白で言えば「領域」内での頭脳戦だとかハンターで言えば「念」の系統や能力の制約、そしてその最たるものが「グリードアイランド」なんだけども。

グリードアイランド編は本当によくできてます。あれは素晴らしい。
遊ぶことで想像力をふくらませることって大切ですよね。(本業を疎かにするのは社会人としてどうかと思うけど)

 

メジャーな漫画なので今更内容について語ってもしょうがないのだけど、なにげに要所要所にあるコミカルな演出が好きです。

【桑原の台詞】

6巻今のあいつはとなりに松本明子がいても起きねーほど

 疲れて寝てやがる」


  [ぴええる多気]←持参していた缶ジュースの名前(アニメでは烏龍茶になっていた)

7巻「うーむあいつらのことだ

 逃げるってことは馬場が性転換するよりあり得ねーし」


なぜか無意味に芸能人の名前が出てくる桑原。この辺は冨樫が桑原で遊んでたみたいなのもあるのかな。桑原の発言ではないけども、「和田アキ子の貧乏ゆすり」という台詞もあります。ちなみに「桑原」という名前はPL学園同期の二人、桑田と清原からそれぞれ一文字取ったのが由来。(背表紙より)

13巻「くそ~~ドラえもんがいてくれりゃな~~~」 (飛影を探している場面で)

  「カブト虫かこいつは」(イタコ笛の音で木からボトっと落ちた飛影を見て)

さらりとこういう庶民的な台詞を言えるところが好き。

13巻「いや!!選択はもう一つあるぜ!!

 飛影ほっぽって奥に進む!!これしかねぇ!!」


このコマが笑い転げるほど好きです。背景に火山の噴火とかあるし、桑原の顔が普段とは違うタッチで妙にリアルに書かれてて。

他に好きなシーンは御手洗を助けた後、部屋でいびきをかきながらおもいっきりハミチンで寝てるとこ。
汚れキャラだからってそこまでせんでも・・・。しかしキャラにはまり過ぎている。

【幻海のツッコミ】

14巻

「ごん!」幽助の目玉飛び出る

「おちつけィ」幽助の頭に蹴りでツッコミを入れる幻海

「あの女 これから担任の教師とやる気だ!!」室田に幽助とダブルツッコミを入れる幻海

17巻
北神の手品(ナイフから万国旗、そして花へ)「今はこれが精一杯です。」←カリオストロだね。

そんなわけで一番好きなキャラは桑原です。
ただの馬鹿、ただの不良ではなく情に厚い男なので舎弟からも慕われ、実は無類の猫好きという一面もあり。
根性にモノを言わせて無茶な戦いばかりするけども、次元刀に目覚めるシーンは何回読んでも熱くなります。
その他、魔性使いチームの汚い裏工作に怒りをあらわにし、一触即発な幽助と飛影に言ったこの台詞も好き。

「ムカつくまんま暴れるだけなら、奴らと変わんねーぜ。

キタネェ奴らにも筋通して勝つからかっこいいんじゃねーか?

大将」


うーん、男の中の男。飛影にすかさず「勝てればな」とツッコミを入れられるのも桑原らしくていい。
結局4人のうち唯一の人間なので魔界編では蚊帳の外となるものの、皿屋敷No.2だった不良が難関校を受験すべくすっかり真面目になるというところとかも、根が真面目な桑原だからこそ妙にリアリティがあり、親近感を感じさせるとともに、「みんな大人になっていく」というあのころ自分が感じさせられたなんとも言えない切なさを思い出させられます。

 

勝手な解釈かもしれないけど、この漫画って本当に「切なさ」の漫画なんですよ。特に仙水編以降。
漫画でもこの時点で絵が初期とはかけ離れていたし、今まで妖怪相手に戦っていたのが今度は人間相手、しかも純粋な力比べではなく頭脳戦、心理戦を伴う戦いになり、雰囲気がガラリと変わりました。アニメでも効果音やBGMが一新されておりました。

蔵馬の「オレは四人のうち誰が欠けても嫌だ。」という台詞や、冷徹ぶっている飛影でさえ幽助の死をきっかけにA級の力を取り戻すところなどから、ありきたりではあるけどもメインキャラ4人の友情というのもこの漫画の大きなテーマであることがわかります。某超人プロレス漫画のように、やたら「友情」だの「友情パワー」だのくさい台詞を口に出すのではなく、口に出さずともお互いのそういう関係を肌で感じているという雰囲気が好き。

そのうちの3人がやがて対立する立場になり、1人は蚊帳の外という距離ができてしまうことにも切なさを感じさせられました。
そういう時期を経ても最終話前でまたパーティーを組んで審判の門に乗り込むあたり、「距離を置いても変わらない関係」みたいなのを感じさせられ、物語も終盤に入っているだけに泣きそうになります。

幽白をまともに読んだのが小学校高学年~中学校あたりだったので、この時期から友達との付き合い方も変わってきたり、そういう「切なさ」みたいなのを自分にダブらせて感情移入せずにはいられませんでした。

【その他好きなシーン】

「そんなこと考えるまでもねーよ 帰ろうぜ人間界に」

 ―――実を言うと迷ってた 


佐藤の占い曰く「心のどこかでいつも危険の中に身をおきたいと思っている」という本当の気持ちを隠した幽助。
仲間のことを考えて自分をおさえたり、あえて口に出さなかったりすること。嵐のような戦いから解法され、退屈な日常に戻ってきたことが本当に正しかったのかどうか幽助が考え込んでいるこのシーンこそ、自分にとっては幽白の持つ「切なさ」のピークです。


「深く考えない方がいいですよ」

19巻の星空の下での蔵馬の台詞。幽助を気遣ってのさりげない優しさ。
でもあんな星空の下で蔵馬に「深く考えない方がいいですよ」とか言われたらますます深く考えてしまう。
仙水編の「黒の章」の登場あたりから魔界編後の探偵業復活のあたり、妖怪よりも人間や霊界の方がゲスであるという方向へ走ったのが印象的。まぁ序盤でも友達に呪いをかける女性生徒とか、妖怪を金づるに酒池肉林の垂金とか、そういうのはあったけどね。そういうとこにも作品のコンセプトはあったのでしょうか。

【最終回】

うーん、このラストシーン、何回見てもいいよね。いや、「いい」っていうか、長編漫画や長編小説を読んだ後のようなずっしりとした重い読後感よりも、切なさから何か空虚で変な浮遊感、陶酔感みたいなのが残る。


しかし最終回の後のページでコミックスに収録されている書き下ろしのイラストみたいなのは何なんでしょう。
幽白のキャラじゃないっぽいのが最後に5点ほどありますよね。しかも台詞つき。


かめはめ・・・
――――――(←マジックで塗りつぶされた跡)ます
摘発上等 心売ります
苦痛をともなうものしか僕等は愛と認めない
睡眠薬と屋上どっちにしようかな


まぁ冨樫自身が「これ(幽白)描いてたとき描いた覚えのないものがいくつか描かれてた」と言ってたし、かなり精神的にやられてるときに描いたものでしょうね。

【冨樫談】
この作品を描いたときの冨樫の実際の体験談(情報ソースは「ヨシりんでポン!」という冨樫本人が出した同人誌のインタビュー)

・戸愚呂あたりから主人公サイドのキャラはほどんどカタチが決まって描いてておもしろくなかったので悪役の方に入れる想い入れが強くなった。そのためかっこいい悪役が増えた

・連載中一番苦しかったのは幽助と酎の対戦、それと幽助と仙水が戦ってたあたりらしい。酎はそんなにわからなかったけど、仙水のときはたしかに雑に見える部分もちらほらあるね。忍が出てきたときの「ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ」とか聖光気を放つ場面の「ゴゴゴゴゴゴゴ」とか。仙水のときに原稿に向かうと吐き気がするほど漫画を描きたくなくなり、編集に幽白を辞めたいと頼み込んだんだそうな。そんなのでよく魔界編に入ったよね。そりゃあ中途半端な終わり方になってもしょうがない。

・連載終了のほとんどの理由は個人的なわがまま。1週間の休みは睡眠のための半日。それ以外はほどんど仮眠で、ストレス発散は寝る時間を削ってするという超激務。漫画家さんって大変なのね。普通の漫画家はアシスタントを何人も入れてやってるんだろうけども、冨樫の場合は「できるだけ一人で描きたい」という理想があるらしく(←矛盾してるけど)、実際に蔵馬と飛影の読みきり、鴉vs蔵馬、幽助vs仙水、幽助と雷禅が対面する回などはほとんど一人で仕上げたらしい。逆に後半の2話は半日で19枚仕上げたんだそうな。当然批判もあり、プロ失格ながら自己満足。極限状態から、「人がどう思おうがどんなに荒れた原稿になろうが一人で描きたいものは描きたいんだ。」という気持を抑える理由がなくなる。

この「人がどう思おうがどんなに荒れた原稿になろうが一人で描きたいものは描きたいんだ。」っていうのが今のハンターハンターの長期休載の現状なのかもしれませんね。しかしそんな状態になるくらいならキメラアント編に入る前にグリードアイランド編で終了してりゃよかったじゃないか。これも編集に無理矢理やらされたんだろうか。無理矢理やらされているにしてはストーリーはおもろすぎるけど。

【その他余談】

黒岩コロネ
作中に「黒岩コロネ」という言葉が2箇所表れます。(13巻69ページ)(14巻109ページ)
どちらも落書きとして描かれています。
多分なんですが、これはもともと「黒岩コロス」という落書きの「ス」を「ネ」に上書きしたものだと思われます。
冨樫は「黒岩」という人物に恨みでもあったのでしょうか。まぁその辺は「深く考えない方がいいですよ」


あとやっぱり1巻のタヌキの話は泣けるよね。

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コメント
この記事へのコメント
なんか色々思い出してきて少し泣きそうになりました。
今、ジャンププラスで掲載されているのでそれを楽しみに読んでいます。
初期の読み切りの話、良いんですよね。
2016/05/15(日) 05:52 | URL | 通りすがりの寝たきり #-[ 編集]
何気にこの日記が10年近く前のものだということに私自身が驚いております。

若いころの日記を読み返すのは恥ずかしいことが多いので、コメントいただけたのも嬉しい反面恥ずかしいです。
2016/06/07(火) 23:32 | URL | fds #-[ 編集]
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