Lv.1
【あらすじ】

ある日、私は片目を失った。

そして、その日までの記憶も・・・。

祖父のはからいで眼球移植を受けた私の頭に、

時折激しい痛みと共に見知らぬ映像がよぎる。

その映像の源を求めて旅に出た私は・・・。



再読してみました。
おおよそのオチは覚えていたものの、忘れていた部分も多かったのでまた違った面白さがありました。

ミステリーはあんまり読まないので他と比較できないのですが、私が乙一のミステリー作品で好きなところは、伏線が知らず知らずのうちに張られているところです。大きな伏線を手繰りながら進んでいくだけでなく、知らず知らずのうちに張られていた伏線を、オチが分かった瞬間「そうか、あの一文にもあんな意味が隠されていたのか」と、それまでのさりげない情景、会話、やりとりなどを読み返してみたくなってしまうところが多々あります。要所要所を忘れないよう付箋を貼りながら読みたいくらいでした。だからといって決して複雑、難解ではないのですが。

ミステリーの醍醐味はそういった謎や伏線などが解決するときや、すべてが一つながりになる瞬間の爽快感みたいなものなのかもしれませんが、私の乙一のミステリーの好きなところは、そういったタネ明かし部分だけではなく、それにいたるまでの過程、ストーリー中にある切ない雰囲気です。ぬるま湯の中を漂っているような、冷たいようでほのかな温かさを感じさせ、心地よい倦怠感、浮遊感がある、そんな感じ。坦々と読み進んでしまいます。

この「暗黒童話」の中では、主人公である菜深(なみ)をメインに描きつつ、そのサイドで「ある童話作家=三木」と、やがて接触する二人を双方から描いております。それ故、終盤に向かうにつれ緊張感も高まります。

なお、この作品は若干グロい内容も含まれております。
眼球や内臓など、体のデリケートな部位をあれこれする話って読んでて思わず顔をしかめてしまいますよね。まぁ全部がそういう話というわけではなくそれは一部だけなんですが、その辺がどうしてもだめだという人はご注意を。

暗黒童話 暗黒童話
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↑↓文庫版とそうじゃない版。

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